コロナ禍での予算のメリハリ

情報公開

2021年度の予算案の実質的な審査がスタートしました。以降、何本かの記事にわたって、私の質疑の趣旨をご紹介してまいります。

徹底した優先順位付け

予算案も緊急事態につき。

今回の予算案の規模は1073億円余となっており、前年度比で2億1千万円余、0.2%の増となっていますが、コロナ禍の中で「命を守り、暮らしを支え、未来を拓く予算」という位置づけに象徴されるように、これまでとは異なる顔を持っている印象を受けます。

それが現れているのは、コロナ対策などに優先的に資源を投入する一方で、緊急度の低い予算を削ったり、先送りする判断が垣間見える部分です。

そもそも財政の持続可能性は、少子化および高齢化や不合理な税制改正の影響などを念頭に、厳しく考えなければなりません。それに輪をかけて、新型コロナが本区に与える影響は計り知れず、今まで以上に財政の舵取りを慎重に行う必要があります。

そうした責任感から、我々の会派「フォーラム目黒」も、今回の予算編成にあたっての要望では「減額すべき」という項目も出させていただきました。

予算圧縮の痕跡

さて、目黒区では毎年、予算編成過程を公開しています。

これは、各部署が予算要求した内容の一部と、その査定結果を公表するものですが、これを見ると、今回は特に厳しい査定がなされた痕跡が分かります。

特に厳しいのが都市整備費で、全体では9.0%の減となっています。そのうち緑化公園費は21.7%減、道路橋りょう費は12.8%減。

事業ベースで見ると、いくつかの児童遊園や公園の長寿命化および改良工事は全額カット。中期計画に相当する「実施計画」に定められた事業ですら、自転車の走行環境整備が83%カットされ、保水性舗装や遮熱性舗装といった環境配慮型の道路整備は全額カットされています。

他にも、例えば教育費では、同じく実施計画事業である学校トイレの環境改善が68%カットされており、毎年恒例で計上されていた図書館資料費の増額分1100万円が50%カットなど、コロナ対策の強化などと並行して、こうした積み重ねの結果、全体で0.2%の増となっていることが分かります。

いま真に必要な予算を

もちろん、この非常事態が続く最中に、事業の優先順位を徹底的に検証する姿勢については、全く異論はありません。一方で、例えば将来的なコストダウンに繋がる公園のLED化は削らなくても良かったのではないか、など議論の余地がある部分はどうしても出てきます。

そこで、こうした圧縮や縮減の経過が公開情報となっている以上、我々も責任をもって、これらの優先順位付けを検証し、予算委員会で議論を続けてまいりたいと思います。