あらためてジェンダー平等を考える

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目黒区のジェンダー平等政策

アンコンシャス・バイアス

先日3/8は国際女性デーでしたが、つい最近も、JOC臨時評議員会における森喜朗元首相の女性蔑視発言が地球規模の問題となり、日本におけるジェンダー平等の道のりが遠いことを痛感させられました。

あらためて我々は、自らの内にある無意識の偏見「アンコンシャス・バイアス」に向き合っていかなければならなりません。

・男性の方が出世欲がある。
・女性の方が繊細な気遣いができる。
・男のおしゃべりはみっともない。
・女の酒飲みはだらしない。

これらの例をどう受け止めるかは人それぞれだと思いますが、これらは全て偏見であり、男らしさ、女らしさを強制している可能性があります。

こうした偏見が、至るところに存在し得ると認識するところから、全ては始まると思います。

目黒区にジェンダーギャップは存在するか

SDGsの取組状況を評価しているベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューションネットワークによる報告書によると、日本はゴール5(ジェンダー平等)において「大きな課題が残っている」とされ、しかも改善していないことが読み取れます。

また、世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数も、日本は153カ国中121位と極めて低いことは、多くの場面で指摘されています。

最近は、目黒区もSDGsとの関連性を意識する方向で動いていますし、3/10に成立した新たな基本構想でも人権・多様性の尊重を掲げていますが、日本が世界から指摘されているジェンダー不平等について、真剣に取り組むべきことは言うまでもありません。

そこで、そもそも目黒区行政は、目黒区にジェンダーギャップは存在すると考えているのか、予算委員会で確認させていただいたところ、「一定ある」という認識が示されました。

これは重要なことで、区の男女平等共同参画の年次報告書を見ても、ジェンダーギャップが無いわけがありません。ジェンダー格差が存在することを大前提として、解消のための取り組みを進めなければならないと思います。

女性管理職の登用

目黒区の女性職員活躍推進計画では、今年度までに女性管理職の割合を20%にすることを掲げています。こちらは現状で19.8%と着実に増加しており、かなりいいところまで来ていますが、その中身について確認をしました。

具体的には、2005年から2020年度まで15年分の女性管理職の配置状況を調べたところ、一定のポストに偏っている傾向が見られたのです。

最も顕著なのが人権政策課で、6人連続・14年連続で女性の課長が配置されています。また、広報課は15年の期間中4人が配置され延べ10年。他にも健康推進部および健康推進課が3人で10年、健康福祉計画課が3人で9年、高齢福祉課が4人で8年となっています。一方で、女性管理職が配置されたことのない部署も多く存在します。

もちろん、人事ローテーションで15年というのは決して長い期間ではない(一般的に5~6巡)ため、たまたまの偏りが収束していないだけという見方もできますが、やはり一定の意向が働いているのではないかという疑問も感じてしまうところです。

こればかりは、どれだけ議会で質問しても「適材適所」と返ってくるばかりでしょうが、人権政策課に14年間も男性の適材がいなかったのだとしたら、今度は人材育成に課題があるのでは、ということになってしまいます。

女性管理職の配置がポストによって限定されることのないよう、常に検証を続けていくとともに、長時間勤務などの働き方まで含めて適材適所ということではなく、純粋に個々の能力を発揮できる職場環境の整備に、引き続き取り組んでいく必要があります。

ジェンダー主流化

目黒区は毎年、男女平等・共同参画に関する予算を計上していますが、そもそもジェンダーギャップの解消には、その担当部署(目黒では人権政策課)だけが頑張れば良いというものではなく、全庁的な取り組みが必要です。

かつて、1995年の世界女性会議の北京行動綱領では、公共予算をジェンダーの視点から分析し、それが男性と女性にどのような影響を与え得るかを検証する「ジェンダー予算」という考え方が提唱されています。

この言葉自体は、日本でそれほど馴染みがないように思いますが、考え方としては極めて重要であることは疑いなく、毎年度の予算編成においてジェンダー平等の視点を入れていく必要があります。

目黒区もそのつもりで取り組んでいるのでしょうが、一方で、思いもよらない事業が、思いもよらない形でジェンダー平等または不平等に影響している可能性があるのではないでしょうか。

例えば、パーシモンホールなどの大規模な集会施設で、女性用トイレだけが長蛇の列になっている場面はなかったでしょうか。

目黒区は母子手帳アプリを「子育てアプリ」と銘打ってリリースしているが、子育ては女性がするものというアンコンシャス・バイアスを助長していないでしょうか。

実証実験中の、新型コロナワクチンに関するAIチャットボットは聞き手が女性となっていますが、問い合わせに対応し、ご案内するのは女性であるという固定観念に囚われていないでしょうか。

私の狭い視野では考えが至りませんが、他にも、誰も気づいていないようなジェンダーギャップに関わる事業があるかも知れません。いえ、むしろあると考えるべきでしょう。 それらは本当に見えづらいのでしょうが、常に意識して予算の編成や執行をしていくことは、考え方として極めて重要であると思います。

今の時代だからこそ、こうしたジェンダー主流化の考え方を強く進めていくべきですし、そのためには区職員や議会の気づく力を養っていかなければなりません。

私も十分に自戒して、引き続き取り組んでまいりたいと思います。