乳児用液体ミルク(その1)

意見・主張

先日、乳児用の液体ミルクの解禁を目指して活動されている末永恵理さんにお目にかかる機会がありました。末永さんは、自身のお子さんを育てる際に授乳に苦労した経験から、ネット署名サイト「Change.org」で液体ミルクの解禁を呼びかけたところ大きな反響を呼び、それ以降も実現に向けて活動されている方です。

そもそもの問題は、厚労省の乳等省令第二条の37にある、『この省令において「調製粉乳」とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料とし、これに乳幼児に必要な栄養素を加え粉末状にしたものをいう。』という規定が見直されてこなかったことに端を発します。
(参考:乳及び乳製品の成分規格等に関する省令:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26F03601000052.html

つまり、粉ミルクしか想定していなかった時代の規定が、製造技術が大幅に進歩した現在でも変わっておらず、液体ミルクの製造・販売が認められていないのです。欧米では1970年台から普及し始めており、大きな違いがあることが分かります。

簡単にメリットとデメリットを紹介します。
<メリット>
・粉ミルクを溶かす場合よりも時間がかからず、さらに衛生面でも優れている。
・水や火が要らないため、外出時は勿論のこと、震災時にも利用できる。
・母親の健康状態に関わらず、乳児に与えることができる。

<デメリット>
・製造コストが高く、価格も必然的に高くなる。
・粉ミルクに比べて、消費期限が短い(6か月と言われる)。

利用するかどうかは消費者次第ですし、それ以前に製造・販売するかどうかはメーカー次第です。ただ、法の規制でそもそも禁止されているのは、行政の不作為ではないかと思います。

なぜ日本で解禁されていないのか、翌日に続きます。
(続きはこちらです。)