目黒区民泊条例について

目黒区の民泊条例について

先日お知らせしたように、8日の本会議で採決が行われた「目黒区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」については、私は退席という判断をしました。

これまでも、レポート12号をはじめ、民泊の光と影それぞれについて意見を表明してきましたが、あらためて賛成もできない、反対もできないという理由を説明します。

1.厳しい制限には賛同

民泊について、これまで区に多くの苦情が寄せられてきたことは、私の議会質問からも明らかです。さらに、自宅の目の前が違法と思われる民泊物件だった事もあり、騒音、ゴミ、違法駐車などの実態を直接目の当たりにしています。

国の住宅宿泊事業法では、これまで全国的に発生してきたトラブルを解消するための枠組みを設けたとされていますが、法施行後ただちに問題解決するとは思えず、住民の不安に応えるためには、厳しい営業制限をかけるべきだと思います。

2.家主居住型の制限を緩和すべき

一方で、上記のようなトラブルは、家主不在型の物件で発生しているのが殆どであり、顔の見える(というか一つ屋根の下の)関係であれば、相当程度回避できると考えられ、規制する合理的根拠が見当たりません。

にも関わらず、訪日外国人が1泊のみで宿泊施設を利用するケースは考えづらい中、民泊の正の側面である国際交流や地域の魅力発信まで根絶やしにしてしまうのは、全く得策でないと思います。

以下、さらに細かく理由を記します。

国のガイドラインとの整合性

区は、国のガイドラインで類型ごとの制限は適切でないとされていると説明してきましたが、実際は「ただし、例えば、家主不在型の民泊客の急激な増大に起因して生活環境が悪化するような特別な場合等合理的に認められる限度において、類型ごとに制限することまでを否定するものではない。」と、事実上認めています。

一方、ガイドラインには「本法に基づく条例によって(中略)、都道府県等(西崎注:目黒区は権限委譲を受けており、区と読み替えられる)の全域を一体として一律に制限すること等は、本法の目的を逸脱するものであり、適切ではない。」と明記されていますが、区は全域制限を強行しており、このダブルスタンダードは説得力に欠けると言わざるを得ません。

既存の諸計画等との整合性

民泊には国際交流や観光振興などの側面もあり、生活環境への最大限の配慮を前提としつつ、それらも推進しなければなりません。

ここで既存の計画を振り返ると、基本計画(の一部)では「産業・観光の振興」、まち・ひと・しごと総合戦略では「新たなにぎわいの創出と多様な人との交流を目指す」、観光ビジョン産業振興ビジョンは全体にわたって、それぞれの理念とする所と今回の措置は逆を向いているように思えてなりません。

独自調査の結果を踏まえて

また、2017年9月の一般質問で区に求めるも実施されなかった区民意識調査を独自に実施し、統計学的にも一定の信頼性があるサンプルサイズが得られました。(詳細は下記リンクからご覧ください。)

・独自調査の結果

これによると、民泊に期待している割合が30.9%であるのに対し、不安を感じている割合が57.9%と過半数を超えている一方で、区の対応については、積極的に推進または一部規制を加えながら推進すべきとする意見が46.8%となっており、推進すべきでないまたは全面禁止すべきという意見の41.0%を上回っています。

つまり、行政が関与して適正な民泊が確保されるのであれば、推進を望む傾向があることが分かります。それは、地域経済への影響や交流機会の拡大、区のイメージアップなどについて期待する結果からも見てとれます。

さらに、家主居住型を認めるべきとする意見は全体の46.8%で、否定的な意見の35.0%を上回っています。特に、民泊にある程度不安を抱いている層も、家主居住型であれば実施すべきとする意見が55.2%と半数を超えていることから、区民から一定の理解が得られるものと考えられます。

退席という結論

以上のことから、住民の不安に応える必要は承知しながら、ホームステイ型(家主居住型)も含めた一律の制限に無条件で賛成することもできず、討論による問題点の指摘という手法も考えられましたが、会派での議論が合意に至らなかったため、今回のような決着となりました。

今後も、区内外の状況を調査しつつ、条例の見直しの必要性を訴えたいと思います。