子どもを守る施策

情報公開

都議会議員の西崎つばさ(目黒区、38歳、3児の父)です。

こちらは、12月8日の本会議で行った一般質問のご報告の続きです。第2弾として、これも区議時代から取り組んできた、子どもを守るための施策について質問しています。

以下、トピックごとに3回に分けてご報告しております。
その1:ジェンダー平等
その2:子ども施策(本記事)
その3:環境施策

子ども施策について

子どもの権利擁護

最近の都議会では、立憲も含めた多数の会派から子ども施策の専管部署を設置する提案がされており、知事の所信表明でも組織再編に言及しています。

政府でも「こども庁」に向けた動きが進み、都でも具体的な検討がなされるのは好意的に受け止めますが、同時に考えるべきは、専門家による独立した人権擁護機関の設置をはじめとした、子どもの権利擁護の体制構築です。

私の地元の目黒区は、全国でもかなり早い時期に子ども条例を制定し、その後に第3者による子どもの権利擁護委員制度をつくっています。

都において、子ども施策を担当する組織改革が検討されつつある今こそ、先行して、子どもの声を反映する取り組みの強化が必要であると思いますが、現在の取り組み状況はどうなっているのでしょうか。

都の見解

都では子どもの権利擁護専門相談事業を実施しており、深刻なケースについては中立的な立場で調査を行うなど、関係機関と連携しながら権利擁護に取り組んでいる。

橋梁点検と子どもの事故予防

とある都内の陸橋で、階段部分と通路部分の柵の接合部に、子どもがすり抜けられる程の隙間が空いているのが見つかり、応急的な措置でふさいで安全を確保した事例がありました。

階段も通路も、それぞれ基準を守って設置されていたにも関わらず、場合によっては子どもが落下してしまう危険があったのです。

こうしたイレギュラーなケースを見抜いて事故を防ぐためには、定期点検において、構造物としての健全性だけではなく、総合的に危険箇所をチェックしていなかければならないと思います。

都の見解

全ての橋梁を対象に、日常点検や5年毎の定期点検を実施しており、各部材の健全性や安全性を確認しているが、子どもなど様々な利用者の目線で接合部などの状況を把握することは重要である。今後は、こうした認識を共有し、点検の精度を高めていく。

ライフジャケットの着用

子どもの事故予防は科学的・客観的な根拠に基づき、時代に応じて見直していかなければなりませんが、水難事故の状況を見てみると、件数は20年近く、死者数も5年ほど、横ばいで推移しており、年々減少傾向にある交通事故とは対照的となっています。

一方で、海中に転落した時の生存率は、ライフジャケットの着用の有無で大きく変わるというデータが、国土交通省や海上保安庁から示されていることなどから、近年その重要性が指摘されており、消費者庁も、子どもが水辺で遊ぶ際の着用を呼びかけています。

また、都の生活文化局では2019年、「子ども用ライフジャケットの安全な使用に関する調査」を行っており、活動内容別の着用率に大きな差があることなどを明らかにしています。

学校の教育現場に関しては、独立行政法人日本スポーツ振興センターが発行する「学校における水泳事故防止必携」の最新版が、ライフジャケットの有用性を体験させる指導の意義を示すとともに、全ての水辺での活動における着用が必須であると指摘しています。

さらに、来年度に向けたスポーツ庁の概算要求においては、ライフジャケット活用などの指導モデル研究を行うため、都道府県教育委員会と連携した事業の実施が想定されています。

一方で、ライフジャケットを着用させないことには、事故発生時の引率者の訴訟リスクが伴います。2012年、愛媛県西条市の私立幼稚園において、川遊びの最中に、鉄砲水に流された男児が亡くなってしまうという大変痛ましい事故が発生しましたが、司法はライフジャケットを着用させる義務があったと認定し、当時の園長に対する業務上過失致死傷罪が確定しています。

以上のことから、特に小中学校の校外活動などにおいて、川や海などで活動する場合にはライフジャケット着用を必須にすべきだと思います。さらに、ライフジャケットの使い方や効果、重要性に関する指導も実施すべきではないでしょうか。

都の見解

川や海などでの校外学習においては、活動ルールの設定など、水難事故防止のための安全対策を講じており、引き続き徹底できるよう各学校の取り組みを支援する。

ライフジャケットに関する指導については、国のリーフレットを各校で配布しており、この資料などを参考にして水辺で活動する際の安全について子どもに伝えている。

チャイルド・デス・レビュー(CDR)

あらゆる子どもの死亡事例を検証し、その予防策を導き出す仕組みであるチャイルド・デス・レビュー(CDR)については、生育基本法や死因究明等推進基本法の施行を受けて、実装段階が迫っています。

他県では先行してモデル事業も実施されており、都でも早急に体制構築を進めるべきではないでしょうか。

都の見解

先行事例の状況も把握しながら、どのような体制で取り組むべきか検討していく。