目黒区議会議員の西崎つばさ(37歳、7/4都議選の公認決定)です。
いよいよ、新型コロナのワクチン接種が始まります。国の動向やワクチンの有効性などについて、メディアで取り上げられることは多くありますが、個々の自治体の動きが紹介されることは、ほぼありません。
そこで今回は、目黒区の新型コロナワクチンの準備状況について、ご報告してまいります。
※ 新型コロナウイルスのワクチン接種については、次々と新しい情報が入ってくるため、こちらに記載した内容が古くなっている可能性があります。可能な限り迅速な更新に努めますが、ご覧になる際は下記の最終更新日をご確認いただきますよう、お願いいたします。
(最終更新日 2021.2.15)
目黒区のコロナワクチン準備状況
巷では各種ワクチンの特性や効果、副反応、供給体制など様々な情報が飛び交っていますが、ここではなるべく、目黒区における体制構築に特化してご紹介したいと思います。
念のため、首相官邸の特設ページのリンクを貼り付けておきますので、国としての全体的な動きは、こちらからご覧ください。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
実施体制について
まず、「一体どんな体制でワクチン接種を行っていくのか」という点ですが、次のような役割分担が示されています。
国→主導的役割を担う
ワクチンの確保、費用の負担、接種順位の確定、副反応疑い報告制度の運営など。
東京都→広域的な視点で自治体を支援
医療従事者等への接種体制の調整、卸売業者との調整、専門的相談対応など。
目黒区→ワクチン接種の実施主体
医療機関との委託契約、会場の確保、住民への通知、一般相談対応など。
つまり、目黒区が目黒区民に対するワクチン接種体制を構築するということです。ワクチン接種を受ける方は、原則的に住民票のある自治体で受けることとなっており、勤務先や通学先での接種は想定されていません。
ただし、長期入院や入所、単身赴任や下宿学生、里帰り出産などの事情がある場合は、所要の手続きを行うことで、住民票のない現居住地でワクチン接種を受けることが可能とされています。
ワクチン確保の状況
肝心のワクチンの確保については、通常国会でも首相答弁があったように、これまで政府は3つの正式契約を締結し、3億1400万回(1億5700万人)分を確保できたと発表していますが、承認申請や供給の見通しが遅れるなど、決して順調とは言えず、目黒区の準備にも支障をきたしているのが実情です。
なお、現状の契約は以下の通りです。下記は薬事承認前のものも含まれるため、今後変更される可能性があります。
ファイザー社(米国)
2021 年1 月20 日に契約。2021 年末までに1 億4400 万回(7200 万人)分を供給。16歳以上を対象とし、基本は20日間隔で2 回接種。-90~-60℃の超低温保管が必要で、冷蔵庫では約5 日間の保存が可能。2月14日に特例承認。
アストラゼネカ社(英国)
2020 年12 月10 日に契約。2021 年初頭から1 億2000 万回(6000 万人)分、うち約3000 万回分は第1 四半期に供給。28 日間隔で2 回接種。2 ~ 8℃で保管。2月5日に承認申請。
モデルナ社(米国)および武田薬品工業株式会社
2020 年10 月29 日に契約。2021 年上半期に4000 万回(2000 万人)分、第3 四半期に1000 万回分を供給。28 日間隔で2 回接種。-20℃前後で保管。
接種順位およびスケジュールの想定

接種順位は国が定めることになっていますが、現段階では最初に医療従事者、次に65歳以上の高齢者、その後に基礎疾患のある者やBMI(体重<kg>÷ 身長<m>の2乗)が30以上の肥満者、高齢者施設の従事者、60~64歳の者、最後にそれ以外の者と示されています。ただし、ワクチンの供給量によって、今後も随時見直しがされていくものと思われます。
なお、ファイザー社のワクチンは16歳以上を対象としていますが、それ以外のワクチンの見込みも含めて、16歳未満をどう考えていくかは、2月15日時点では不明となっています。
また、スケジュールについて、高齢者向けの接種券は3月中旬以降に発送するとされていますが、これは国が示したものに過ぎず、この通りに実施されるとは限りません。
目黒区の準備状況
新型コロナ予防接種担当課を設置
目黒区は、昨年2020年12月7日に「新型コロナ予防接種担当課」を設置し、医師会や医療機関などとの協議を進めています。ただ、いまだかつて経験のない事業規模になることに加え、国からの情報提供が遅いこともあり、多くの困難が伴っています。
コールセンターの設置
今後の予定や準備状況について問い合わせを受けるための、独自のコールセンターが2月15日に設置されました。
現在は問い合わせのみですが、一般向けの接種が開始する際には、予約もできるようになる見込みです。
接種会場
初期段階のワクチン接種は、区内の医療機関および区が設置する集団接種会場において実施される見込みです。

医療機関
A.東邦大学医療センター大橋病院(大橋2-22-36、池尻大橋駅から徒歩3分)
B.三宿病院(上目黒5-33-12、祐天寺駅から徒歩15分)
C.東京共済病院(中目黒2-3-8、中目黒駅から徒歩7分)
D.厚生中央病院(三田1-11-7、目黒駅から徒歩15分)
E.目黒病院(中央町2-12-6、学芸大学駅or祐天寺駅から徒歩10分)
F.第一病院(中根2-10-20、都立大学駅から徒歩5分)
G.本田病院(柿の木坂1-30-5、都立大学駅から徒歩2分)
H.東京医療センター(東が丘2-5-1、駒沢大学駅から徒歩15分)
集団接種会場
1.目黒区役所1F 休憩コーナー&和室(はぎの間)(上目黒2-19-15、中目黒駅から徒歩5 分)
2.八雲体育館(八雲1-1-1、都立大学駅から徒歩7 分)
3.めぐろ学校サポートセンター体育館&グラウンド(中目黒3-6-10、中目黒駅から徒歩15 分)
その他
他にも、接種対象者に郵送する接種券の発行に向けて、業務委託を念頭に調整を進めています。また、上記のコールセンターとは別に、接種を予約するためのシステムを開発する予定となっています。
結局、区民はどうすれば?
様々な報道が先行していますが、行政は全くの準備段階です。慌てることなく、目黒区からの正式発表や個別通知などをお待ちください。
その一方で、ご注意いただきたいこともあります。
1.新型コロナワクチン詐欺にご用心を!
ワクチン接種の予約金として、金銭を要求する電話が確認されています。目黒区は特殊詐欺の被害が全国に比べて多いということもあり、特にご注意いただきたいと思います。
対策を講じる場合は、区が実施している着信拒否装置(トビラフォン)や自動通話録音機の活用も検討されてはいかがでしょうか。
2.過度な反ワクチン報道や主張にご注意を!
新型コロナワクチンの接種は、あくまでも任意であり、強制ではありません。新たに開発されたワクチンに対して、心配される方も多いことと思います。
しかしながら、極端に不安をあおる議論には注意が必要です。今後、国に承認されて流通していくのは、非常時ながらも科学的に効果が立証され、かつ一定の安全性が確認されたものとなります。
「ワクチンを打った後に死亡」などという報道も見られますが、接種した帰り道に交通事故に遭って亡くなったとしても「有害事象」としてカウントされます。注目すべきはワクチンとの因果関係ですが、現在までに生命を脅かすような重大な副反応は報告されていません。
皆さまにおかれましても、各所からの情報を冷静にお受け止めいただき、ご判断を頂ければ幸いです。
まとめ
ご覧いただいたように、目黒区の新型コロナワクチン接種については、具体的に決まっていることは多くありません。むしろ、国の動向に振り回され、現場が混乱している印象すらあります。
昨年の定額給付金の際には、「目黒区の対応が遅い」と多くのお叱りの声を頂きましたが、あれも政府が強引に施策を進めようとした歪みであったと思います。
区の担当職員は必死に頑張っていますし、担当だけではなく区役所全体で、さらに言えば目黒区のリソース全てが一丸となって取り組むべきタスクが、この新型コロナワクチンであると思います。
いざ動き始めた際には、あらゆる皆さまのご協力を頂きたく、この場を借りてお願い申し上げます。