「香港人は変幻自在展―友よ、水になれ」

紹介・解説

香港の民主化運動を応援する

目黒区議会議員の西崎つばさ(37歳・3兄弟のパパ)です。

突然ですが、目黒区立美術館の区民ギャラリーにおいて、本日12/16(水)から12/20(日)まで、「香港人は変幻自在展―友よ、水になれ」が開催されているので、ご紹介させていただきます。

香港の危機

最近の香港の民主化運動について、詳しくは割愛しますが、行政長官選挙をめぐる雨傘運動(2014年)から、2019年の逃亡犯条例、2020年の国家安全維持法(国安法)への反対運動と、継続的に抗議活動が行われてきたことは、ご存知の通りかと思います。

しかし、国安法の成立・施行に伴って政府当局の弾圧は激化し、政治団体は自主的に解散するなど、香港社会では表立っての民主化運動を断念せざるを得ない空気が広がっています。

さらに、最近(12/2)は、日本に向けた発信が有名であった周庭(アグネス・チョウ)さんらが実刑判決を受けて収監されるなど、見せしめとも受け取れるような事態に発展しています。
判決に涙を流した周庭氏 禁錮10月の実刑で初の収監、保釈申請も却下 香港

展覧会「友よ、水になれ」

しかし、香港の民主化を訴える活動は舞台を海外に移しています。

今回ご紹介するStand with HK@JPNさんは、日本において民主化運動を続けているグループで、国内でのデモや集会など、日本および国際社会での理解を広げる活動を行っています。

私も、後述する地方議員連盟「POMELO」の活動の中で、彼らとお話をする機会を頂いた後に、全くもって偶然ではありますが、目黒区立美術館の区民ギャラリーにおいて、初となる大型の展覧会が行われることになりましたので、取り上げた次第です。

展覧会のテーマである「友よ、水になれ」とは、香港のスターであるブルース・リー氏の言葉であり、政府当局のやり方に対し、柔軟に行動を変化させてきた民主派のマインドを象徴しているとのことです。

早速、メディアにも取り上げられていました。
「民主化運動の精神知って」 都内で香港デモ展、20日まで

地方議員連盟 POMELO(ポメロー)

さて、ここからは余談となりますが、香港の人権抑圧に懸念を示す国際的な流れから、対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)、同じく国会議員連盟(JPAC)が設立されており、中国政府に対して厳しい姿勢を見せるべきだと主張しています。

そこに同調する形で、「香港から市民参加の政治を考える自治体議員連盟」、通称POMELO(ポメロー)という超党派の地方議員連盟が設立され、知り合いの遠藤ちひろ多摩市議、南雲由子板橋区議の2名が共同代表となり、私が事務局長を務めております。

ポメローとはブンタンのことで、香港を含むアジア地域で食されている柑橘系のフルーツです。親しみやすい通称を考える中で、この名前が生まれました。

多少のこじつけ感はありますが、Project on Meeting Local Parliamentary Alliance (for Hong Kong)という正式名称を持っています。なお、香港の問題に対して地方議員連盟まで存在するのは、世界で日本だけとのことです。

JPACの総会にも何度か出席させていただいておりますが、国際議連や国会議連が人権制裁法であるマグニツキー法の制定や、経済安全保障の推進といった大きなテーマを扱っていくのに対して、我々は香港の文化や社会問題を学び、理解を進めながら民主化運動を応援し、さらには自らが身を置く民主主義についての考えを深めるという活動を標榜しています。

2020年の9月に発足したばかりですが、会員は既に40名を超えており、いくつかの勉強会やイベントを開催しました。今後も、香港の民主化が進むことを願いながら、活動を続けてまいります。