議会ホームページを考える

研修・視察

2018.8.23 LM定例会

ローカル・マニフェスト(LM)推進地方議員連盟の定例勉強会で、三鷹のNTTアドバンステクノロジー(NTT-AT)さんへ。

開かれた議会に向けて、ホームページなどでの情報公開は避けて通れない道ですが、ただ単に公開するだけではなく、見やすさや分かりやすさにも配慮しなければ、区民に敬遠されるページになりかねません。そこで、あるべき議会サイトの姿を探ることが、勉強会の継続的なテーマとなっています。

ただ、大前提として、目黒区議会のホームページは区のページの一部として公開されているもので、独自のサイトではないということを踏まえなければなりません。つまり、日常の更新程度は議会事務局で可能でしょうが、大幅な改善を図ろうと思っても独自性を発揮できないということです。

これは、二元代表制の一翼を担う議会としてこのままで良いのか、真剣に検討すべき課題です。

最前線からのWeb最新情報

さて、NTT-ATさんは600以上の自治体にサービスを提供しており、実は目黒区議会の議事録やライブ中継も同社のdiscussシリーズを採用しています。こうした最前線の担当者の方から、イマドキのWeb事情を解説していただきました。

Webアクセシビリティ

障害者差別解消法に伴い、公共サイトには、視覚や聴覚に障害のある方に配慮したサイトの規格が61項目にわたって定められており、AA(ダブルエー)の水準が求められています。
みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)

これについては、目黒区のサイトはAAを達成しているため、必然的に目黒区議会のページも達成していることになります。ただ、独自のサイトを持っている議会では、対応していないケースが散見されるそうです。

また、最上位のトリプルAは非現実的な水準であり、コスト面やデザイン面を大きく損なうデメリットがついて回るとのことです。

PDFの斜陽?

私も頻繁にお世話になっており、目黒区を含めた公共サイトの資料公開でも、Adobe社のPDF形式が用いられることが圧倒的に多いと思いますが、英国政府の公式サイト「GOV.UK」では、今後PDFをできるだけ減らしてく方針となっているそうです。

それは、PDFはコンテンツのサイズ変更ができない、最新情報を届けづらい、ダウンロード後のアクセス分析ができない、再利用が困難などの課題があるためとされています。

根底には、タブレットの普及などに伴い、ユーザーの閲覧環境が劇的に変化していることがあり、端末に合わせて表示させる考え方が現在の常識になっているとのことです。これは目からウロコでした。

確かに、PDF化された議会だよりや区報は極めて読みづらいと思います。三重県議会や鳥羽市議会では、議会だよりがWebコンテンツ化されており、こうした取り組みは目黒区議会でも参考にすべきと思います。

Ustreamの無料プラン終了

これは私も聞いていた話ですが、やはり業界では衝撃的だったようです。区議選での私のマニフェストでも、Ustreamでのライブ中継に言及していましたが、実際に導入していた議会も多く、影響大です。

有料プランは従量課金制で、アクセスが多いほど高額な料金となるため、予算を読みづらいという課題があり、議会中継に活用し続けるのは困難のようです。

Webクライアント環境

Webの閲覧環境について、ある調査からの抜粋をご提示いただきました。メモ程度に記します。

  • スマホ利用者87%、PC利用者43%
  • スマホのみ48%、スマホ+PC38%、PCのみ5%

これだけ見ても、議会に限らずサイトをスマートフォンを意識して構築すべきことは明らかですね。

チェックシートによる議会サイト診断

勉強会の後半は、品川区議会のサイトを例に挙げて、チェックシートの項目と照らし合わせて見ていきました。チェック項目はグローバルメニューやパンくずリストの有無、賛否結果の公表など多岐にわたります。

ここでは詳細は割愛しますが、面白そうなので別エントリーで目黒区議会のホームページをチェックしたいと思います。後日アップします。