町会・自治会の活性化の取り組みを視察(品川区)

西崎つばさの活動

今日は特別委員会の視察で品川区へ。「町会および自治会の活動活性化の推進に関する条例」について、運用状況や効果、課題などを伺ってきました。
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この条例には、品川区内に203ある町会や自治会の法的な位置づけが明確でない中、活性化の推進についてはこれまでも区が取り組んできた経緯があり、それらを裏付ける意味合いがあります。地域データの分析やアンケート調査、他自治体の先進事例など調査研究を続け、2年で7回の会議を経て、最後に条例化が検討されたとの事でした。

これに基づく施策は、助成制度と加入促進支援の2つに大きく分けられます。
助成としては、新規事業や既存事業のリニューアルを行う際の補助や備品類の購入経費、加入促進用物品の補助といったソフト面に加え、町会会館を独自で所有していない団体に対する賃借料の補助といったハード面での支援があります。

また、加入促進支援としては、加入申し込みハガキやガイドブック、ポケットティッシュの作成など広報印刷物の支援や、庁内モニターの活用やサイト運営支援といった情報発信の支援、マンション管理者や住宅販売業者への条例説明といった間接的支援があります。

特徴的なのは、一定の条件にあてはまる新規マンションについては、地域連絡調整員の専任を義務付け、町会や自治会との橋渡しを図っている点です。これにより、事業者側だけでなく、町会側からも協力を呼びかけやすくなっています。

効果としては、条例によって区民や財政当局、議会への説明が容易となり、支援策を積極的に打ち出しやすくなったことが挙げられていました。また、加入に否定的な居住者にも声がけしやすくなる面もあるようです。

補助制度を活用して、休止状態だった町会が夏祭りを契機に再開したケースもあるそうですし、町会加入率も平成29年4月1日時点で、前年同日から微増しています(59.4%→60.5%)。

目黒区もコミュニティ施策の具体策が求められる段階にあり、既存の組織を活性化させる手法として参考になる部分も多いのではないでしょうか。