一般質問の内容その1

西崎つばさの活動

今日の本会議で、一般質問を行いました。昨年6月のデビュー戦以来、2回目となります。
前回の時間に追われるという経験を活かし、無駄を省いた切り詰めた質問で、最後は余裕をもって発言できたので、少し進歩した感がありました。ただ、今度は逆に3分ほど余ってしまいましたので、その調整は難しいですね。

先に、全体の通告(要旨)はこちらです。たぞえ議員が質問中にパネルを使用したので、その資料はこちら。私も、そのうちやってみたいなぁ。

それでは、私の質問の内容をご紹介します。

まずは、保育士の確保について。
目黒区が保育園を増設しようと意気込んでいるのは理解できるのですが、同時に保育士の確保も深刻な課題です。実際に、昨年2015年4月にオープンした保育園では、保育士が見つからなかったために定員を縮小してスタートせざるを得なかったという苦い経験があります。

国の保育士確保プランでは、もともとは平成29年までに6万9千人の保育士を確保しなければならないとされていましたが、受け皿、つまり児童受け入れ数が上乗せされたことに伴って、必要な保育士の数も2万人増加し、9万人とされました。(資料

東京都における保育士の有効求人倍率は5倍を超えています。つまり、人手が5人必要なところに1人の応募しか集まらない、という深刻な状況です。

資格を持ちながらも保育の仕事に従事していない「潜在保育士」も多数いるのですが、人手不足の最大の原因は待遇の悪さ、平たく言えば給料の低さです。他業種に比べて、平均で10万円近くも低いのです。

しかし、これは区でどうにかなる問題ではありません。
昨年6月の一般質問で取り上げ、その後導入された「保育士の家賃補助」も、目黒区は独自の上乗せをしているとは言え、9万2千円のうち65%以上が国や都のお金です。
待遇改善を国や都と連携して行っていくのも重要ですが、区が独自に工夫して保育士を確保する試みも必要だと思います。

そこで今回提案したのが、保育施設の利用調整における保育士の優遇措置です。簡単に言えば、区内で働く保育士の子どもが保育所に入りやすくなるように配慮したらどうか、という事です。

確かに、300人近くの待機児童がいる中で、なぜ保育士だけ優遇するのかとの指摘もあろうかと思います。しかし、保育士が1人増えれば他の何人もの児童を受け入れる事ができます。今後、ますます深刻化していくであろう人手不足を防ぐために、今から手を打っておく必要があります。

なお、利用調整の基準を独自に設定できることは、議論の中で確認させて頂きました。

さらに言えば、平成26年9月10日付けの国の通知でも、「市町村の判断により、人材確保、育成や就業継続による全体へのメリット等の観点から、保育士、幼稚園教諭、保育教諭の子どもの利用に当たって配慮することも考えられる。」と明記しています。

また、国の平成27年度補正予算においても、潜在保育士の子どもを保育所等に優先入所させれば、当該保育士に保育料の半額を貸し付け、2年以上勤務すれば返還免除となる事業が盛りこまれました。(資料

さらに、千葉県市川市では既に、この4月入所の選考で、市内で復職または新たに就労する保育士・保育教諭に対する大幅な加点を行っています。目黒と同じく、両親フルタイム共働きで40点、認可外に預けていると42点という基準にあって、保育士であればプラス10点という破格の措置です。つまり、市内在住者以外でも、市川市の保育所で働くのであれば入所させられる規定であると、私は読み取りました。

以上のような動きもあり、近い将来に社会のコンセンサスを得られると思います。

政治が、目の前の問題だけでなく、将来的な課題にも対処する責任があるのだとしたら、前向きに検討すべき制度だと思います。区長からは、例によって「まだ殆どの自治体でやっていないから」と消極的な姿勢が示されましたが、保育士の優遇に限らず、あらゆる努力をして保育士の確保に取り組むべきです。

保育園に入れたくても入れられない。やっとの思いで入所させたのに、人手不足で保育の質が崩壊していた。そんな未来は避けなければなりません。

長くなりましたので、続きは明日。