参院選の分析を少々。

意見・主張

都知事選に向けて動き出しているのかと思いきや、この期間ずっと溜め込んでいた選挙以外の業務に追われております。そんな中での休憩がてら(笑)、参院選の結果を少し振り返ります。

まず、メディアの取り上げ方を見ると、「与党圧勝」とか「改憲勢力が議席全体の2/3超え」という見出しばかりが目につきました。確かに現実の議席数を見るとそうなのですが、そのインパクトに押されて冷静に結果を見られていないのではないかと思います。

私の所属する民進党は、改選46議席から14減の32議席となりました。これを大敗と捉えて良いものか。数字上は大きく後退していますが、46議席というのは6年前の2010年、つまり政権交代してから1年以内に行われた参院選であったという事を見逃してはなりません。

少しは逆風が吹き始めていたと記憶していますが、それでも時の政権与党として迎えた参院選。党勢そのものが当時より遥かに衰えているのは事実だとしても、その6年前と比較して「惨敗」とするのは無理があるように思えます。

では、どこと比べるべきかと言えば3年前、2013年の参院選です。この時は2012年の政権再交代から約半年後、最も自民党が勢いに乗っていた時期と言えるでしょう。その時の旧民主党の議席数は17。いま考えても身の毛のよだつ数字ですが、そこから考えると今回は32ですから、数字だけ見ればほぼ倍増しているのです。

全国比例での得票数を見ても、2013年は713万票余り。今回の2016年は1175万票余りと1.5倍以上に増加していますから、党勢が大きく回復してきた事を否定はできないでしょう。なお、目黒区に限って言えば、2013年は1万1千ちょっとだった民進党への票が、今回は2万6千近くへと倍増しています。
2016比例(目黒開票区)
過去の比例(目黒開票区)

また、自民党にだけ言及しておくと、議席数そのものは増加していますが、2013年の65議席という結果からは9議席マイナスの56議席。これを躍進と呼べるでしょうか。仮に3年後の参院選でも今回と同等の結果が出たとすれば、自民党の単独過半数にも、改憲勢力での2/3確保にも届かないのです。

3年毎に半分ずつ改選するという参議院の制度上、結果の捉え方が多種多様になりがちですが、少なくとも今回の結果を受けて、民進党関係者は勇気づけられたはずです。一区議会議員の立場で出来ることは多くはありませんが、引き続き「人への投資」という党の理念を中心に据えて、地元で活動していこうと思います。