品川&練馬の視察(生活福祉委員会)

研修・視察

2019.1.27 生活福祉委員会視察

今日は委員会視察として、近隣自治体2か所を回ってきました。以下、ご報告します。

品川区 健康ポイント事業

品川区健康ポイント事業は、2020オリパラを控え、健康づくりの観点から気運醸成事業を検討し、2018年から開始されたものです。

参加者に活動量計を配布し、歩数などに応じてポイントを付与し、ランキング形式で景品を用意し、健康づくりのインセンティブとしています。

参加者、期間

20歳以上の区民を対象としており、6~7月に参加者を募集し、9~1月にかけて実施する作りになっています。定員は2000名で、申込数が上回った場合は抽選となりますが、2019年度は2159名の応募があり、実際に抽選が行われました。

また、参加費として1000円を支払う必要がありますが、終了後のランキング景品で、1000円相当は必ず戻ってくる仕組みになっています。

なお、2018年度の報告書によると、参加者は6割が女性で、40代が最も多くなっています。(2018年度は対象が40歳以上となっていました。)

活動の詳細

活動量計を受け取った参加者は、自身の身体情報などを入力した後に、活動開始となります。

区役所や店舗など、区内37ヶ所の拠点に設置してあるタブレットに活動量計をかざすと、データが送信されポイントを獲得することができます。

ポイント付与の要件ですが

  • 歩数(1日4000歩以上、以降は1万歩以上まで段階的に)
  • 拠点の訪問(1か所1回まで)
  • 体組成計での計測(月1回まで、37拠点のうち11か所)
  • 人間ドックや健康診断、がん検診などの受診
  • 区指定の事業に参加(スポートイベントや相談会など)
  • 区内の銭湯利用

と多岐にわたっています。

期間中、参加者は専用サイトで歩数やBMIを確認することができ、終了後には結果表も配布されます。

ポイントの最終ランキングに応じて、区内共通商品券やギフトカードが贈られるのですが、100位までは1万円相当、400位までは6000円相当など、かなり破格の金額となっています。

予算

事業は委託で実施されており、約2600万円を全額一般財源で手当てしています。参加費は受託事業者の収入となります。

予算のうち550万円が参加者への景品、517万円が活動量計の費用となっており、タブレットは1台18万円、体組成計が1台28万円、送信端末の通信量が1か所3000円/月となっています。

アンケート結果

2018年度の終了時アンケートでは、事業に満足が89.2%、健康意識の変化が83.7%、歩数の増加が86.1%、さらに来年度の参加意向が95.6%と、驚異的な反響となっています。

所感

アンケート結果からも、参加者からの評判が大変良いことが伺え、健康づくりの観点からは非常に上手く機能している事業であると思います。

一方、景品については少し「やりすぎ感」があり、参加者数を限定して1万円のギフトを用意するよりは、広く参加できるように設定しつつ、歩数などに応じてモンスターが育つ、などの方法もあるのではないかと思ってしまいます。 いずれにしても、区民の健康意識向上には寄与していることから、この事業のエッセンスを取り入れつつ、目黒で検討する余地はあるのではないでしょうか。

障害児保育園「ヘレン中村橋」

午後は、障害児保育園であるヘレン中村橋へ。様々な場で活躍されている駒崎弘樹さんが代表を務めるNPO法人フローレンスが運営しています。

背景

フローレンスが障害児保育園を開設・運営している最大の理由が、障害児を持つ親がフルタイムで働くために子どもを預けられる施設が、世の中に存在しないということです。

2009年の数字ではありますが、障害児を持つ母親の95%が、安定した就労ができていない状況にあり、必然的に収入面でも厳しくなっています。

一方で、医療の発達に伴い、医療的ケアが必要な重度心身障害児は激増しており、2005年から2015年の間にほぼ倍増(9403名→17078名)し、直近では1万9千人を超えています。特に、同期間に人工呼吸器を着けている小児患者は264名から3069名と爆発的に増えています。

こうした事から、ヘレンの事業の重要性は非常に高まっていると言えます。

概要

2014年9月に杉並区の荻窪で1園目が開設されて以降、現在は都内に6園が展開されており、今日の中村橋(練馬区)は2018年11月にスタートした最も新しい施設となっています。

平日は毎日、朝から夕方まで母子分離の保育が実施され、言うまでもなく看護師や研修を受けた職員を配置し、医療的ケアに対応しています。また、児童発達支援の枠に囚われすぎない、遊びを中心とした療育も行われています。

制度のカラクリ

現在の日本には、ヘレンの目的に適合した施設が存在しないため、「児童発達支援事業」と「居宅訪問型保育」の2つの制度を組み合わせて、財務を成り立たせる工夫が取られています。

ただ、自治体、事業者、利用者それぞれにとって複雑な手続きとなることに加え、必要以上のスタッフを雇用しなければならない側面もあり、本来は児童発達支援1本で運営できることが理想であるとしています。

ロビイング活動などを通じて制度変革を目指していますが、まだまだ課題が多い状況です。

行政の支援

ヘレンについては、上記2つの制度的な支援があるほかに、それぞれの自治体が物件を無償提供するという支援が行われています。

「保育園」と謳っていますが、制度上は児童発達支援施設であるため、認可保育園のような整備補助は適用されません。

所感

フローレンスは、理想的には普通の認可保育園で医療的ケア児を預かれることが最も良いとしていますが、現在の状況に鑑みても、まだまだ道のりは遠いように思われます。

目黒区の保育園や学校でも医療的ケア児の受け入れが進みつつありますが、フローレンスがストックしてきた知見も頂きながら、さらに展開されていくことに期待しています。

私自身も、永田町子ども未来会議での勉強などを通じて、自らの政策メニューを磨いていきたいと思います。