発達に課題のある児童、親を支える

研修・視察

子どもと親を支える施設

若手議員の会の児童虐待防止PT(そろそろ名前を変えたいですね…)で、中野区の2施設を視察。「障害のある子どもを持つ親の支援の成否次第で、虐待に繋がったり、または防ぐことになるのでは」という趣旨です。

なお1ヶ所目は、偶然にも一昨日に区長選に向けた応援ポスティングで歩き回った地域でした。

みなみらいず

こちらは、2016年7月にオープンした施設です。今回の目的である子育て、保健、福祉を担う「すこやか福祉センター」の他にも、包括支援センターや障害者支援事業所、区の出張所、スポーツ施設が入る複合施設となっています。

3階は、1フロアで各健診が完結できるようになっており、親御さんの利便性は高いと考えられます。

このように、歯科検診もバッチリ。

ただ、現状で可動しているのは乳児健診および3歳児健診の月2回だけであり、少しもったいない気がしますが、法に基づく診療所として登録されているため、転用ができない状態とのこと。

同施設では、ゆりかご・とうきょう事業である「かんがるー面接」を行っており、地域団体に委託された「ひろば事業」や子育て相談事業も実施しているとの事ですので、ハコを伴った子育て世代包括支援センターとしての可能性は大きいのではないかと思います。

所長さんの「現代の(乳幼児)健診は病気の発見だけではなく、子育て支援である」という言葉に、深く共感しました。集団検診が良いのか、委託で個別が良いのかという議論はありますが、いずれにしても小児科医や歯科医と、様々な情報が寄せられる所管(中野区ではすこやか福祉センター)の連携が重要であることは言うまでもありません。

ゆめなりあ

「みなみらいず」から5分ほど歩くと、療育センター「ゆめなりあ」にたどり着きます。こちらも2016年オープンの新しい施設で、児童発達支援や療育相談、保育園巡回訪問などを行っています。

特徴的なのは、療育のために当該児童と親のみの環境をつくるため、きょうだいを預かるサービスを提供している点です。一時保育やファミサポなどが確保しづらい状況にあって、これは助かるのではないでしょうか。

また、こちらにはカームダウンルームが設置されており、スヌーズレンを行う環境が整っています。通っている児童だけでなく、福祉就労施設等の利用者が気分転換に使うこともできるそうです。

スヌーズレン:発達に課題のある方はストレスの発散がしづらい、という問題に対応するため、光や音、匂いなどでリラクゼーション空間を作る手法。

親の支援を探る

保護者の支援という観点からは、個別の相談対応はもちろんのこと、保護者会や学習会といった行事をご紹介いただきました。区側でも、講演会を例に挙げられていました。

素晴らしい療育環境が用意されているだけに、親を支援するネットワークがどう構築されているかが重要ですが、中野区では、やはりすこやか福祉センターを核とした連携となるのでしょう。

まとめ

今回は発達に課題のある児童の発見から、その支援の場といった一連の流れをたどってきました。これが児童虐待防止PTの中にどう位置づけられるか、振り返りを含めた議論が必要です。

メンバーで共有している「親子を支えることの重要性」は紛れもなく、中野区の新しい施設を活用しながらのソフト面での支援を整理し、今後のPTの方向性に溶け込ませていくプロセスが待っています。