西崎つばさレポート15号

レポートWeb版

区役所でロボットが働く!?

皆さま、お元気ですか?秋も深まり、区役所では来年度の予算編成作業が始まっています。今回は、これからの行政改革に欠かせないツールである「RPA」についてご報告します。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

RPAとは、パソコンのマウスやキーボードの操作をソフトウェア型のロボットに任せ、作業を自動化する手法のことで、欧州・北米を経て、2017年頃から日本の企業でも急速に広がっています。

ネットからの情報収集や、異なるシステム間のデータ移行、集計データの正確性チェックなど、決まったルールに基づいた反復的な業務を得意とし、人間の数倍から数十倍の速さで、24時間365日、疲れもミスも文句もなく働けるのが特長で、労働力の減少が指摘される現代において、生産性向上の切り札として注目されています。

自治体でも大きな可能性

まだ行政のRPA導入事例はわずかですが、一部の自治体で成果が上がっています。

1.熊本県宇城市

熊本県宇城市では、実証実験を経て、ふるさと納税など4業務で来年度からの本格導入を決定し、年間3632時間、金額にして1193万円の削減を見込んでいます。

2.石川県加賀市

石川県加賀市でも、時間外勤務の集計や複数システムの相互連絡などにRPAを活用し、最大74%の工数削減が見込めるとしています。

3.茨城県つくば市

また、茨城県つくば市の実証実験では、市民税業務で79.2%、窓口業務で83.3%の時間削減の成果が得られたと報告されています。

4.葛飾区

23区では、葛飾区が10月から源泉徴収業務にRPAを導入し、作業時間で94%、年間444人日の工数を削減できる見通しとなっています。

とてつもない費用対効果

RPAが注目されている理由の一つが、導入ハードルの低さです。既存システムの改修は必要なく、従来の業務フローのまま、これまで人が担っていた作業をロボットに置き換えることが可能なのです。設定や運用にあたってプログラミングなどの知識は不要で、マウス操作のみで動作設計できる商品すらあります。

導入コストも低く、先の葛飾区の事例では初期費用が50万円、年間維持費用が20万円と、従来のシステム開発を考えると極めて安価と言えます。

目黒区にも動きが

このように、RPAは業務のあり方を大きく変える可能性があることから、「目黒区も導入すべきだ」と第2定例会で提案したところ、「実証実験を見据え年度内に調査を行い、導入を前向きに検討する」と、非常に高い意欲が示されました。善は急げで、ぜひ早急に取り組んで欲しいと思います。

一方で気になるのが、いまだ続く役所の紙文化です。紙媒体ありきの業務は、先端技術を用いた行政改革のボトルネックとなる可能性が懸念されます。一刻も早くペーパーレス化を進め、RPAやAI(人工知能)を活用した職員の働き方改革の効果を最大化することで、税金の効率的な活用および、区民サービスの向上に繋げていかなければなりません。

これからの時代、ロボットができることはロボットに任せて、そのぶん人にしかできない、心に寄り添った相談業務や、創造的な仕事に貴重な人材を投入する考え方が重要ではないでしょうか。皆さまのご意見やアイディアも、ぜひお聞かせください。

(参考)政府も後押しする姿勢

未来投資戦略2018(日本経済再生本部)

2020年度末までに、RPAやAIを活用する地域数を300とすることを目指している。

革新的ビッグデータ処理技術導入推進事業(総務省)

RPAの導入に対し、初期投資などにかかる経費を補助するため、地方自治体50団体分、計2億円を来年度の新規事業として計上している。(概算要求時点)