FMゲーム

西崎つばさの活動

議会の模様などをご報告していたら、重要な取り組みをブログ掲載するのを忘れていましたので、このタイミングで書いておきます。

先月2月24日、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟(LM地議連)の定例会で、ファシリティ・マネジメント(FM)について学んできました。目黒区でも現在、区有施設見直し計画の策定に向けて動いている所ですが、FMは全国で同様に課題となっています。

目黒区の企画総務委員会でも常にポイントになっているのは、「総論賛成、各論反対」をどう乗り越えるかという事です。つまり、全ての施設を維持していくのは財政的に無理なので、削らなければならない事は理解できるが、自分の地域の施設は無くしてくれるな、という意見ですね。

この理解を深めるために、埼玉で考案され実施されたのが「ファシリティ・マネジメントゲーム」で、マニフェスト大賞の審査員も務める三菱UFJリサーチ&コンサルティングの西尾真治さんが中心となって開発されました。今回は、参加者が幾つかのグループとなって、実際にこのゲームを体験してきました。

ゲーム自体は直感的にできるものですが、一つの自治体が4つの地区に分かれ、それぞれに施設があり、人や金が配分されている状態から始まります。人口動態の変化に併せて、施設を廃止したり、複合化したり、場合によっては新設したりして、財政を適切に運営しつつ、ニーズにあった施設を維持していくことが目的となります。言葉で説明すると難しいですね(^^;;

最も難しい点は、単純にその時のニーズに併せて施設をくっつけたり削ったりしていると、肝心の「どのようなまちづくりを行うか」が疎かになる点です。そこをグループで合意して進めていかないと、ニーズを満たせたとしても面白みのない街が出来上がってしまいます。

そして、これこそファシリティ・マネジメントで最も重要な点なのでしょう。つまり、自治体で大きな合意があってこそ、物事が進んでいくという事です。指摘があったのは、「総論賛成、各論反対なんて有り得ない」ということ。つまり、各論に反対している時点で、総論に賛成していないという見方です。鋭く、面白いですね。

目黒区では、総論の部分での双方向の対話が大きく欠落している印象を受けます。この事は、これまでの委員会でも指摘してきました。区は、各論の部分で対話を充実させていく意向のようですが、そもそもの部分で合意がないまま進めていくのは容易ではないでしょう。

西尾先生から色々と資料も頂いたので、目黒区においても、各論に入る段階であっても、総論的に、何が必要とされているかを直感的に理解して頂くツールとして活用できないか、可能性を探ります。