火だるまになった私たち

今日から「全国若手市議会議員の会」の研修。北海道から九州まで、全国の若手議員が集結します。今回の舞台は東京・荒川区ということで、日暮里のサニーホールまで出かけてきました。

それにしても、内容が内容だけに、非常に居心地の悪い時間でした。(笑)

特別区全国連携プロジェクト

本日の研修は、特別区長会が進めている「特別区全国連携プロジェクト」について。全国から議員が集まる場には、うってつけのトピックと言えます。

プロジェクトの趣旨

このプロジェクトは、特に地方部で懸念されている人口減少や経済の衰退に対して、東京23区が連携して共存共栄を図ることを目的とするものです。

予算審査の際にもご紹介しましたが、法人住民税の一部国税化や、消費税の清算基準の見直し、ふるさと納税といった「税源偏在是正措置」によって、今年度の目黒区だけでも40億円もの財源が奪われています。

こうした東京vs地方の奪い合いではなく、共に発展・成長するために連携していこうというのが趣旨ですが、私の目には税源収奪を阻止するためのエクスキューズにしか映りません。というのは、少し辛辣すぎるでしょうか。

プロジェクトの中身

特別区全国連携プロジェクトは2014年にスタートしており、賛同自治体や広域連携協定を締結する自治体の数はそれぞれ増加してきています。直近では、今年の2月に奈良県町村会との協定が結ばれました。

そして、目黒も含めた都内各地で、物産展への出店や展示企画、コラボイベントなどが行われています。

荒川区の事例

荒川区は、釧路地域の8自治体と共同で地域再生計画を策定したことが最も特徴的で、内閣府の地方創生推進交付金を活用した事業が行われています。

くしろマルシェ

日暮里駅前広場でのマルシェで「くしろウィーク」を設定し、物産品の販売やご当地グルメの提供などが行われています。この時期に合わせて、区役所の食堂(一般利用可)でも、釧路の食材を使用した定食が提供されているそうです。また「くしろ健やかフェスティバル」も同時に開催され、ヘルスツーリズムが紹介されています。

こども農漁村交流プログラム

北海道広尾町の地域再生計画に位置づけられた事業として、荒川区立小学校1校の5年生が、2泊3日でホームステイをしながら、自然体験や交流を行うプログラムが実施されています。

あらかわ遊園でのイベント

荒川区内にある遊園地「あらかわ遊園」では、2015年および16年に、岩手から大量の雪を運び込んで「雪であそぼう」というイベントが行われました。また、2017年には、秋田県の竿燈まつりを園内で行うという企画も実施されています。

プロジェクトの課題

地方の賛同自治体が増加する一方、当たり前ですが23区の数は増えません。今後を考えると、連携の手法が課題となってくるでしょう。

それに向けて検討されているのが、プラットフォームの構築です。プロジェクトを通じて様々な自治体が連携の可能性を探るプラットフォームとしての役割が、非常に重要になると考えられます。

また、自治体同士で完結するのではなく、民間を巻き込んだ連携を図っていくことも大きな課題と言えます。

地方部の議員の反応

では、全国の若手議員の反応はどうだったか。後半のワークショップでは、「そもそも上から目線だ」、「連携して意味あるのか」など、非常に厳しい言葉を頂きました。(笑)

↓必死に弁解する様子。

しかし、実は彼らの問題意識の裏返しであり、「自分たちの力やアイディアで発展させなければ」という思いがにじみ出ているように感じました。

確かに、客観的に考えても、地方に仕事をつくり出し、人が自然に残ったり戻ったりするような状態にならなければ、プロジェクトは単なる対症療法でしかありません。

自治体間の交流にしても、外的要因で強引に結びつけるのではなく、何らかの契機があっての自然発生的な繋がりでないと、いずれ無理が来てしまうでしょう。思えば目黒のさんま祭りも、行政が推し進めたものではありません。

つまり、地方独自の取り組みの支援やサポートができる形でなければ、やはりプロジェクトはエクスキューズですし、それは特別区の仕事ではありません。結局、財源の奪い合いのパラダイムを抜け出せていないのではないでしょうか。

このプロジェクトに関して、全国の議員の視点を感じることができたのは、非常に大きな収穫だったと言えます。