コミュニティ対策の視察

西崎つばさの活動

特別委員会の視察。正式名称は「目黒区総合戦略等調査特別委員会」で、今日は目黒区でも今後の懸案となっているコミュニティ関連施策について、近隣自治体の取り組みを見てきました。行程はこちらです。

まずは、文京区の「こまじいのうち」。老若男女を問わず、地域の方々の居場所となっている本当の「家」で、テレビ等のメディアでも取り上げられることの多い成功例です。
こんな住宅街に、突然あります。

おじいさんの家の雰囲気。

台所もあり、調理して食事することも可能です。

こまじいのうちは、地域の方が常用していなかった家を提供され、そこを居場所として作りあげたもので、平成25年にオープンしています。区に働きかけてということではなく、元々は行政職員だった方が事務局となって、独自に立ち上げられました。

文京区は全体の町会加入率が比較的高く、65%程度となっています。(目黒区は、50%弱です。)この背景も相まってか、駒込地域の12町会の連合体が関わる拠点という立て付けになっており、東京都の地域の底力発展事業助成による補助を受けることが可能になっています。

何をしているかというと、基本的には「日中はいつも開いている家」であり、誰でも1回100円(お茶など飲み放題)で気軽に入れる居場所であることに加え、囲碁カフェや健康マージャン、健康体操、昔あそび、布ぞうり作りやビーズ教室など、様々なプログラムが用意されています。いちど参加した方が運営側にも回り、また新たなプログラムが生まれるという好循環があるとの事です。

今や利用者は延べ年間5000名を超え、土地柄から地域に留学生も多くいるため、参加してくれています。そして、人が集まることにより、地域の問題もここに集まるようになり、その解決の糸口がここから見つかるような効果も出ているそうです。参加者の属性に比較的偏りがないのも特徴ですが、どうしても働く世代の男性が少なくなってしまうのは、永遠の課題でしょうか。

また、企業のCSR活動と結びつくことによって、施設のリノベーションをすることが可能となりました。お金を出すだけでなく社員も関わることで、さらに活気が生まれています。

さて、ここまで人が集まるまでに漕ぎ着けたのは、地域福祉コーディネーターの存在が大きかったとの事です。平成24年、文京区の駒込地域活動センターに1名が配置され、その方が核となって地域の様々な人々を巻き込み、現在でも多くの方々とつながっています。

この「こまじいのうち」は、紛れもなく既存の枠を超えた新しいコミュニティであり、これからの時代に必要とされている緩やかな繋がりであると感じました。これまでの町会だけの枠組みで、今後も同じように続くわけがないと私は思っていますので、こういった新しい連帯と既存の町会が相乗効果を生み出すような取り組みが、目黒でも求められていると思います。

そして、それは住区が一つの切り口なのかも知れませんが、いずれにしても行政が無理やり作ろうとしてもできるものではなく、自然発生的に生まれていくのをサポートできる、そんな仕組みが必要なのだと思います。

次に、新宿区。
同区では、町会や自治会の加入率向上を目指し、かなり積極的な動きを見せています。外国人住民が多いという事情もあるため、加入率が46%程度と低い水準にあり、町会連合会自身が問題意識をもってスタートした支援体制とのことです。

まずは制作物系。「町会に入りましょう!」的な冊子は、どの自治体も作成していると思いますが、新宿区は毎年5町会ずつではありますが、独自のパンフレットを作成する支援を行っています。また、今後は外国人向けの冊子も作成する予定があるとのことで、かなり力が入っていると言えます。

さらに、町会や自治会を対象としたブログの作成講座を実施し、紙媒体以外での情報発信をサポートしたり、司法書士による認可地縁団体の設立(町会などの法人各取得)相談を行ったりと、ユニークな取組みが進められています。

今後は、コンサルタントを活用した加入促進方法を模索する意向とのことで、新住民だけではなく、町会側の人々の意識改革も図っていきたいとの事でした。そういえば、先日の特別委員会でコンサルの話をしたら、全く取り合わないような答弁だった気が(^_^;)

また、目黒区で言えば住区にあたるような「地区協議会」をいう任意団体の枠組みもあるそうで、こちらは地域課題を解決する役割が期待されているようです。やはりメンバーが重複するのは、どこも同じなのでしょう。

併せて、新宿区の協働についてもご説明を頂きました。
新宿区は、23区の中でも区民参加が進んでいるという認識は私も持っており、実際に10年ほど前の区民討議会のお手伝いメンバーとして、現場で見させていただいたこともありました。

基本構想や実行計画の中に協働の推進が明記されており、いわゆる区民参加だけではなく、協働事業提案制度とNPO活動資金助成の2本立てで協働が進められています。

それぞれの事業は名称から想像されるとおりですが、特徴的なのは「行動支援会議」という会議体が設置されていることだと思います。学識者、団体、公募区民、社会貢献部門経験者、社協などがメンバーとなって、そもそもの協働の仕組みの検討や、上記2事業の審査や評価を行っています。

担当者の方からは、協働事業提案制度について、区からの課題提起数が伸び悩んでいるという課題を提示いただきましたが、区民側から提案することもできる仕組みとなっており、これからの協働は、むしろ行政よりも区民や団体が起点となる方が望ましいのではないかと思います。

こちらでも、既存のコミュニティと新たな協働との兼ね合いについて質問させていただきましたが、やはり別回路として活かしつつ、双方に好影響を与えていく方法が現実的なのでしょうか。

まだ頭がグルグル回っています。