ハラールって何?からスタート

西崎つばさの活動

若手議員の会の研修2日目。今日は台東区を訪問し、観光振興施策を学んできました。
と言っても、私は午後から別の予定が入ってしまい、お昼までしか滞在できませんでした。それでも、今日も非常に良い学びがありました。

午前は、同区のハラール認証取得助成事業についての研修でした。
(※ハラールとは「イスラム法で認められた」という意味です。私も、事前の予習まで知りませんでした。お恥ずかしい限りです。問題の根源が見え隠れします。)

台東区は、浅草や上野など、言わずと知れた観光地を有しており、平成26年の観光客数は約4500万人、うち530万人が外国人だそうです。同年の訪日外国人観光客数は約1300万人ですから、半数近くが台東区を訪れていることになります。

やはり東アジアからのお客様が中心ですが、ムスリム圏の平均経済成長率は4%との事で、今後も中間層が増加し、ムスリムの訪日客数も増えていくのは間違いないと思われます。

しかし、台東区に限らず、受け入れ体制が整っているとは言い難い状況にあります。
観光旅行と言えば、現地の美味しい食事も大きな楽しみの一つですが、ムスリムの方が安心して利用できる「和食」の飲食店は殆どありません。事業開始前の時点で都内でも数軒、台東区では3店舗だったそうです。

そこで、彼ら/彼女らが滞在中の食事をどうするかというと、トランクに自国のカップラーメンなどのインスタントフードを詰め込んできて、それを食べているというのです。
東京は、世界一グルメが充実している都市だと思います。そこを訪れた外国人旅行客が、食べるものがなくて持ち込みのカップラーメンをすすっているなんて、とても「おもてなし」どころではないと思いませんか?

そんな現状を変えていこうと台東区が取り組んだのが、「ムスリムウェルカム講習会」と「ハラール認証取得助成事業」でした。講習会では、ムスリムの本質の理解だけではなく、どうすればハラールと認められるかといった実践的な内容を心がけたそうです。

ハラール認証の新規取得については、店舗の規模にもよりますが、認証を取得する手続きに20万円程度かかるそうで、その経費(備品の購入や施設整備は対象外)の1/2以内、上限10万円を補助するというスキームです。

3店舗だったハラール認証取得事業者は、既に18店舗に増加しているそうで、「ムスリムおもてなしマップ」を作成し、観光案内所に設置したりムスリム比率の高い国の大使館に送付しているそうです。

ハラール認証の統一基準がない等の課題もありますが、全国に先駆けた台東区の取り組みは素晴らしいと思います。

ところで、話を聞いていると、産業経済施策の色合いも強い気がしてきます。需要が見込まれながら供給が殆どないという事は、大きなビジネスチャンスなのではないでしょうか。私も、資本さえあればチャレンジしたいくらいです。(笑)

お勉強の後は、助成制度を利用して実際にハラール認証を取得したお店でランチを頂いてきたのですが、そのご報告は後日。