軽減税率に反対します。

西崎つばさの活動

ブログでは国の政策にどうこう言わないようにしていますが、あまりにも目に余るので、安保法制以来、久々に主張します。
軽減税率に大反対します。世紀の愚策となるでしょう。理由は以下の通りです。

1.逆進性の解消になり辛い。
食料品の軽減税率を導入すると、低所得者も助かりますが、それは高所得者にも適用されます。むしろ、軽減される金額は高所得者の方が大きくなります。10kg2000円の米を買うのか(40円軽減)、5000円の米を買うのか(100円軽減)の違いですから、当然の話ですね。消費税のシステム上、逆進性は必ずついて回るものですから、低所得者へ配慮した負担の緩和策を採るべきです。

2.利権政治の温床となる。
これが最大の問題だと思います。報道でも面白おかしく伝えられていますが、お汁粉はどうだとかニンジンジュースはどうだとか青汁はどうだとか、線引きが非常に難しくなります。これが政治への圧力や利権の温床になるのは目に見えています。
早速、新聞を対象にすべきだとの話が出ていますが、誰が政治に圧力をかけたのか、お分かりになりますよね。政治が昔に逆戻りしていくかのようです。

3.必ずどこかに負担が押しつけられる。
曲がりなりにも、消費増税は全額を社会保障の財源に充てるとされました。それが減収になるという事は、社会保障を切り下げるか、別の財源を探すかしなければなりません。1番で説明したように、高所得者の方が軽減額が大きくなるシステムの財源を、どこに求めるというのでしょうか。不公平感を助長するだけです。

4.事業者の対応が大変である。
複数税率に対応する事業者の負担も相当なものになります。これが素晴らしい仕組みへの対応であれば、伏してお願いしなければならない所かも知れませんが、上記のように意義の低い軽減税率に対応するために手間をかけるのは無意味です。そのコストが、さらに価格に転嫁される可能性もあります。転嫁されなければ事業者の負担になります。

以上の理由から、軽減税率にメリットが見出だせません。一時的に得をしたように感じても、それは空虚なものです。社会を広く巻き込み、苦労してシステムを変えてまで演じる、壮大な朝三暮四です。
消費増税に伴う負担を緩和するのが目的であれば、給付付き税額控除がシンプルかつ効果的です。この事を、出来る限り多くの方に知って頂きたいと思います。