議選監査委員は廃止すべきか

意見・主張

昨日は、岩手県のオガールから戻ってきたその足で早稲田大学へ。LM地議連の定例会で、議選監査委員を廃止した大津市の事例報告を聞いてきました。

議選監査委員の廃止

以前のブログでも、地方自治法の改正に伴う監査委員の議論について研修報告をしましたが、4月に法が施行され、その間に大阪府と大津市が議選監査委員を廃止するという動きがありました。

また、ごく最近ですが、杉並区でも2名の議選監査委員を1名減らし、代わりに弁護士をあてるという制度変更が(行政提案で!)なされています。

大津市の事例

2017年6月の法改正を受けて、大津市議会では、法施行前に何らかの結論を出す必要があるとして、すぐに研修会を行いました。

その後、監査経験のある議員と議会運営委員会の意見交換会を実施し、監査委員との情報共有の課題や、監査委員の独立性・専門性の課題、決算審査などにおける立場の課題などが整理されました。

各会派での協議を経て、2018年2月に廃止の方向性および代替機能についての協議が行われ、翌3月の議会で廃止の議案が全会一致で可決されました。

また、監査委員と議会の情報共有を進める観点から、定期監査の報告に対する全議員協議会での意見交換の実施、決算審査の際に監査委員の意見陳述に対する質疑時間の創設、監査委員の委員会傍聴機会の確保や議事録(第1校)の送付などが検討されています。

議選監査委員の是非の論点

以前も論点整理を行いましたが、今回の大津市議会での話を聞き、あらためて検討すべきポイントを考えたいと思います。

専門性の問題

現状でも、半数以上は議選でない委員が監査を行っていますが、彼ら/彼女らは、会計士、税理士、弁護士といった専門職の方々です。

こうした専門性を持つ議員が全くいないわけではありませんが、実際には「議長後の上がりポスト」などと短期間で回されていることを考えると、議選監査委員の専門性には大きな疑問符が付きます。

独立性の問題

議会費も監査の対象となっていることから、議選監査委員にとっては自らの所属部署をチェックするという矛盾が生じます。仮に、議会を監査対象とする場合は議選監査委員を除斥するという措置をとったとしても、(例えば目黒では)4名のうち2名が除斥される場面が確定している制度には欠陥があると言わざるを得ません。

二元代表制の問題

多くの議会では、議選監査委員を決算審査に参加させないというルールや、一般質問をさせないというルールが設定されています。

しかし、住民の多様な意見を反映させるのが議会の役割であるにも関わらず、一部の議員が役割を制限されることは、住民自治の観点から問題となります。

どちらが本分か、という話です。

住民の視点による監査という問題

一方で、行政の事業執行を住民の視点で監査するという意義も指摘されます。専門職であっても部外者では、事業が適切に行われているのか判断できないという主張です。

いわゆる「用心棒説」

さらに、監査委員に住民から選ばれた議員が含まれていることによって、監査委員の権威を担保するという「用心棒説」も唱えられています。

西崎の考え

前回に引き続き思案中ではありますが、整理された論点を眺めていると、議選監査委員は廃止した方が良いのではないかと思い始めました。

理由は、監査委員の専門性確保が最重要であるということです。

行政をチェックするのは、そもそもの議会の仕事ですから、住民の視点は議会で大いに発揮すべきであり、問題点の指摘こそすれ、決定権も何も持たされていない監査は、専門職によって客観的に行われるべきではないかと思います。

監査に住民の視点を付与するのであれば、大津市議会のように監査委員と議会が視点や情報共有する仕組みを整えれば良いでしょう。

おまけ:目黒区議会での議論

昨年の決算委員会では、議選監査委員について、短い時間ですが質疑をさせていただきました。

その時の区長の答弁を要約すると、「専門の識見はなくても、区民の目線で監査をしていると思っている」とのことでした。いま考えると、議員が相当バカにされている話ですね。専門性はないけれども代表性がある、と。

この区の認識も、議選監査委員は廃止した方が良いという私の判断に影響している気がします。(笑)